AS-IS、TO-BE、という言葉があります。
コンサルティング業界や、システム業界で使われる言葉です。
AS-IS は、あるがまま、現状のことを意味し、
TO-BE は、あるべき姿、理想の状態を意味しています。
とくにシステム開発の現場では、この言葉を明示的に使わなくても、
概念だけはこの思想にのっとって進められることが多くあります。
AS-IS(現状)が以下のような状態だとしましょう。
このとき、「受注情報(紙)」をなくしたい、という課題であれば、
TO-BE(理想、システム導入後)は、以下のようにしたらよいのでは、
と仮定します。
このように、現状と課題をもとに、それが解決された姿を描くのが、この考え方です。
しかし、このTO-BEが、あまりに現状とかけ離れていたりすると
システム導入後に業務遂行上の問題が多く発生し、
結局システムを使わない...という残念な結果になることもあります。
たとえば上記の例でいいますと、ありがちなのは
出荷担当者は「紙」がないと作業しづらい、ということだったりします。
紙を見ながら在庫を確認(商品と数量)したり、
紙を見ながら出荷準備の整った箱の中を確認したり、
ということは現場ではとても重要なことであることが多いのです。
これを知らず、すべてを電子化、といきなりやってしまうと
システムに不具合がなくても、業務上の誤出荷の多発などで
「使えない」と烙印を押されることもありえます。
中小企業の社内システムは、予算も限られていることが多いですし、
そもそも失敗(システムを使わない結果におわる)はできません。
システム会社に丁寧にAS-ISを説明しても
TO-BEはシステム会社のいうがまま、というのでは
ほとんどそのままシステムは失敗するようなものです。
システム会社は、そのTO-BEが、御社で現実的に運用可能か、
それで運用しやすいか、まで判断できないのです。
AS-ISの充分な説明とともに
提案されたTO-BEを、自社の現状に照らし合わせて
充分にイメージしてみることが大切だと思います。
そうすれば、机上のTO-BEか、実現可能なTO-BEかの
判断がつくと思います。
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