前回、システム業界で一般的に使われる
「人月」という、開発規模をあらわす言葉をご紹介しました。
累計で何人がかりでソフトウェアを作成できるか、は、何「人月」か、であらわされます。
そして、1人月あたりの単価を乗じることで、開発の総予算が算出されます。
なぜこのような概念が用いられているのでしょうか。
端的に言えば、ソフトウェア開発費用のほとんどが人件費だからです。
システム開発会社にしてみれば、何人月必要か、がわかれば、
自動的に受注最低金額の目処がつきます。
また、人月がわかることで、開発体制も考えやすくなります。
例えば20人月なら、だいたい「5人で4ヶ月」「4人で5ヶ月」なりと目算がつきます。
その上で、社内のエンジニアの予定と照らし合わせて納期の設定も可能になります。
つまり、システム開発プロジェクトにおいて、このような概念を用いると
エンジニアの人員管理を行いやすいのです。
ところで、「5人で4ヶ月」だとして、
ちょうどそのころ社内のエンジニアがみな忙しく、あらたな開発に参加できない、
としたらどうなるでしょうか。
このとき、多くのシステム開発会社では、別のシステム会社にエンジニアがいないか
問い合わせを行います。
問い合わせされた会社では、自社社員に空きがなければ、
人材紹介会社に派遣エンジニアを紹介してもらったりもするかもしれません。
つまり、二次請け、三次請けの多重請け構造です。
その都度手数料といいますか、マージンが発生します。
ですから、お客様に対しては1人月100万円で見積をしていたとしても、
三次請けの会社には60万円くらいになっていることもありえます。
某大手銀行のシステムでは20万人月もの開発費用が必要だそうです。
本当かどうかしりませんが、そこでは7次請けまである場合があるそうです。
このとき、エンジニアにはいったいどのくらい支払われているのでしょうね。
そして、これは本来支払われている人月単価に見合ったエンジニアなのでしょうか。
「人月」が多重請け構造の原因とまではいいませんが、
それぞれが大規模なシステム開発プロジェクトのひとつの側面ではあります。
そして、実はこの「人月」という概念自体は、中小企業様向けの社内システム開発でも
使われています。
なぜなら、システム開発会社の人員管理と見積は、この概念に依存しており
これ以外の手法を取っているところは少ないからです。
それでも、各システム会社が正確に開発規模=人月の数量をある程度正確に
算出することができれば、見積金額の違いは人月単価の違い、とみなすことができます。
あるソフトウェア開発が何人月必要か、を、どのように算出しているのでしょうか?
これは次回触れたいと思います。
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